一期一会

2023/11/17

新聞のスホーツ覧を見ておりましたら、「一期一会で会心の勝組」という見出しがありました。また、私たちもよく「一期一会ですよ、しっかりやりなさい」等といわれます。「一期」とは修行の一定期間のことで、転じて一生涯を表します。
  「一期一会」とは茶道から出た言葉で、会うのが一生に一度限りであることを言い、出会い、因縁を大切にしなければならないということです。生涯に只一度のめぐり逢いであるという誠の念をもって主客が相対する。この茶道の精神は、すなわち仏法の精神です。天下一宗匠の千利休は大徳寺で修行された方であり、「小座敷の茶湯は第一仏法を以て修行得道することなり」とはっきり示されております。出会い、因縁を大切に。毎日毎日が、二度とやってこない一日であり、一回一回が只一度の機会である。今日会う人がもう再び会わない人かもしれない。やりなおしがきかないということは、その時その時が真剣勝負の場であるということです。世の中は無常です。道元禅師は光陰は矢よりも迅かなり、身命は露よりも脆し、何れの善巧方便ありてか過ぎにし一日を再びかえしえたると警告され、瑩山禅師も身心いたずらに放捨することなかれ、日日これ好日なりとおつしやっています。
  「あとでやる」と言っているうちに、やれなくなるばかりか、死んでしまうかもしれないのです。今日のことは今日のうちに、いまのことはいまのうちにです。明日ありと思う心のあだ桜、夜半に嵐のふかぬものかはと親鸞聖人は詠まれましたといいます。
心して暮らしたいものであります。

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