プラマイ

2024/01/13

縁起・因果
縁起が善いとか悪いとか言われる「縁起」は、始めに何かが起きた時、それが善いことの前兆か、悪いことの前ぶれかを占う言葉としてよく使われているようですね。また、その因縁によって生起したことが不幸なことであれば、「因果が尽きた」と言ったり、親の死に目に会えない商売を因果な商売と言ったりします。
実は、これらの語は仏教の根本教理たる縁起説に関係しておりまして、縁起の教えは次のような理をもつて表現されています。
此あれば彼あり、此生ずれば彼生ず。
此なければ彼なく、此滅すれば彼滅す。
つまり、すべての現象は独立自存のものではなく、相縁って共に生ずるものであり、相関関係において有るようになったり、無くなったりするという生紀消滅の法則です。すべてのものに実体はなく、年月とともに移り変わってゆくのですが、その変わり方に、プラスの方向とマイナスの方向があるのはもちろんですね。
たとえば、子供が大人になるのはプラスであり、大人が老人になるのはマイナスと言えましょうか。また、煩悩はなぜ起きるのか、その因縁を無くすれば煩悩は消えるという縁起もなりたちます。好ましい縁起を還滅縁起、好ましくない縁起を流転縁起と区別していますが、とにかく、私たちは縁起にどっぷりつかって生きているのです。
縁起は大河の流れのようで、その中を泳いでいる無力な私たちでは、流れを変えることなど、とうていできない話かもしれません。しかし流れをよくとらえ、逆にこれをうまく利用して、対岸のさとりの岸へ上陸することはできます。また、たとえ微力でも、努力すればよい因縁に流れを変えることもできます。縁起をかついでばかりいて何もしないことこそ、縁起でもないことです。積極的に良い縁起を求めて努力いたしましょう。

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