言葉の奥深さ

2026/02/06

丹念・念願
国語の漢字熟語の中には、読み方や意味を調べようと漢和辞典を引いても、さっぱり出てこないものがありますね。国語辞典にはちやんと載っているのに、どうしたことでしょうか。日本で造られた熟語は「漢語」ではないから載せていないのでしょうか。 
 仏教語としての「丹精・丹念・念願」といった言葉も、日本語としてのみ用いられてきた和製の漢語です。現今は和製英語の花盛り時代ですが、今も昔も、日本人の造語能力は冴えていると言えるのでしょう。
 さて、丹精の「丹」ですが、これは赤や朱といった色を表します。丹頂鶴の頭にある赤い部分を思い起せば納得していただけるでしょう。さらに、赤い心(赤心)と言えば偽りのない心のことですから、まことの心で物事にあた るのが「丹精」ということになります。「精」は、きれいにしらげた米の意で、真つ白な混じりけのない様を言います。精米・精神・精算・精霊・精舎・精勤など、「精」のつく熟語を思い浮かべれば、この語の表わさんとするところが自から解かろうというものです。
 次に「丹念」とは物事に念を入れることです。細かいことにまで心を配り、 真心を込めて丁寧にすることですね。「念」は、辞書によれば<覚えている> とか<想う>ことだそうです。念仏・信念・専念・断念・概念・記念・雑念などの熟語を思い出してみてください。何事も丹精込めて、丹念に仕上げることがなによりでしょう。最後の「念願」は、文字通り念じ願うことですね。念願が叶って事が成就した時は本当に嬉しいものです。念願するとは、<念ずる+願う>ことだと考えてよいのではないでしょうか。念ずること、願うことは宗教的な行為です。
 御仏(みほとけ)は「何をもってか衆生をして無上道に入り、速やかに仏身を成就することを得せしめん」と、毎に自らこの念をなしておられ、大悲の願力をもって去来を示現していらつしやいます。私たちも小さい存在ながら、みんなの幸せを念願しつつ暮らそうではありませんか。

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