戒律かいりつり話

2026/04/24

なまくさ料理・なまくさ坊主なまくさい話・・・等々、「なまくさ」という語の冠された言葉をよく耳にします。この「なまくさ」は、生の獣肉や生の魚から発せられる特有な臭みのことで、このことから肉料理や魚料理のことを「生臭料理」と呼ぶようになったのですが、「生臭料理」の対語といえば、もちろん「精進料理」ですね。
 仏教には不殺生戒という戒律がありまして、殺すことによってしか手に入らない肉や魚の含まれた食べ物を口にすることは、慎まなければならないものとされてきました。しかし実生活において、肉や魚の含まれたものを避けることは面倒な食生活を強いられることになってしまいます。特に日本の食生活においては、出汁(だし)の中にすでに肉や魚のエキスが含まれていることが殆どですので、なおさら大変です。またお釈迦様自身、在家の人々から施される食物なら可でも厭わずに食されたということですから、自らが殺さない限りで「なまくさ」を食べることも仕方のないことでしょう。
 さて、「戒律」とは、シーラの訳で自発的に守るべき条項を指す「戒」と、ヴィナヤの訳で教団全体を維持するために守られるべき条項(これを破ると罰則が課せられました)を指す「律」を合成した語です。仏教では戒や律を守って生死を解瞼することが大切とされ、戒や律を含む全体をプラーテモクシャ(正順師脱寡)として、尊重してまいりました。日本ではこれらの三つが湿同して理解され、「戒律」という語句で纏められてしまっているようです。
 ところで、戒律を軽んじる僧侶を「なまくさ坊主」と嘲って言うことから転じて、品行の悪いことを「なまくさ」と表現するようになり、打算が入っていることや胡散臭いことなど、世俗的な意味で穏当でないことまで「なまくさい」と表現されることが普及したようですね。
 とにかく私たち仏教徒は、できるだけ戒律に沿った生活をまもり、なまくさいこととは無縁でありたいものです。私もなまくさ料理は食べても、なまくさ坊主にはなりたくない・・・と努力中です。

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