おまじない

2024/03/29

幼児が転び、痛い思いをして泣いています。そこへ母親が駆けつけて、「痛いの痛いの飛んでけ!」と、痛い部分におまじないをしてやると、幼児は泣きやみました。そんな光景は日常によく見られますね。大人の社会にも、この「おまじない」によって救われる人は多いようです。ところで、まじないを漢字にすると「呪」(俗字では咒)になりますが、これを「のろい」と読まないようにしてください。呪と呪は違います。また、上代では「蠱(こ)」の字を当て、穀物につく虫や人に害を与えるものを追い払うことを指したようですが、「まじない」という日本語は「魔事無い」から来た ものと考えるのが妥当でしょう。
 法華経授記品には、摩訶迦葉尊者が来世で光明如来となり、光徳という国で大法を説くと記されております。その国は、「菩薩無量にして諸の声聞衆復無数ならん。魔事あること無けん」とありますが、「魔事あること無けん」とは災いや悪心の無いことですから、厄災を避け、願いをかなえるための行いを「魔事無い→まじない」と言うようになったというわけです。仏法の力をもってすれば、田畑の害虫を封ずることはもちろん、魔物の仕業からも私たちを守ってもらえると信ずるところに、「まじない」が生じてき たと申せましょう。仏のことば(経典)を唱えることが本来のまじない法であり、これによっていろんな魔事は退散して無くなりますが、なによりの魔事は、私達の腹の虫=貪(てん)・瞋(じん)・痴(ち)・慢(まん)・疑(ぎ)・見(けん)の六根本煩悩の為せる魔事です。本当の「おまじない」を唱えてこれらの虫を迫い払い、摩訶迦葉尊者に劣 らぬ「魔事の無い国」を建国しようではありませんか。自分の腹の虫を追い 出せるのは自分しかおりません。自分によく効く「おまじない」を工夫して みたいものです。「南無妙法蓮華経」お題目をお唱えいたしましょう。
◆呪(まじない)→神呪(「神」=偉大の意)
◆呪(の ろ い)→呪詛(「詛」=のろいの意)

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