今日は七面さま祭

2025/04/18

 運動会に障害物競走という種目があったり、身体に不自由なところのある方々を身体障害者と呼んだり、「障害」という言葉も一般的となっています。
 この障害の「害」は当て字であって、本来は「障礙」または「障碍」(碍は礙 の略字)と書くべきであって、仏教では<ショウゲ>と読んでおります。「障礙」の意味はもちろん精神的なもので、さとりを得るために除かなけれ ばならない障りや礙げとなるものを言います。この障礙には四種あり、①仏 法をそしること②自己に執着すること③苦しみを恐れること④生きとし生けるもののためになろうとする心懸けが無いこと・・が数えられます。
 以上の四つが障礙の基本的な要素ですが、いまの国語では拡大解釈されてハードルやハンディキャツプまでが障害の意味に加えられ、読み方が変えられ上、字も「礙」から「害」に変えられてしまったようですね。
 繰り返して言いますと、仏教でいう障礙は、あくまで心の問題であり、私た ちの心に溜まる塵芥を指す語なのです。心は本来清らかで明るいものなのですが、この塵芥が障害となって自由を失うばかりか、暗く悩める姿となってしまっていると言えましょう。
 この心の本来の姿を取り戻せるのは、私たちめいめいしかありません。自分 の心を救えるのは自分しかないということです。ちょうど他人に御飯を食べてもらつても自分の腹は減ったままのように、他人に勉強してもらっても自分の頭は賢くならないように、他人に修行してもらっても自分の心は救われないま まです。自分が食べ、自分が勉強してこそ、自分の体が出来、自分の頭が良くなるように、自ら自分の心をきれいにするのでなければなりません。
 自分の悩みを他人のせいにする人をよく見かけますが、それでは一生悩んだままで救われることなどないでしょう。自分の障礙は自分で取り除いてゆきたいものです。

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