宝くじ

2025/12/19

 毎年、年末になるとジャンボ宝くじが発売されます。何しろ一等総額三億円の賞金がつくわけですから、広大な砂浜で一粒の小石を探すほどの確率だとは判っていても、やっぱり夢を追い求めて購入している方も多いことでしょう。いずれにしろ、くじを買わなければ絶対に当りつこないのですから…。
 さて、この宝くじは、昭和二十三年に制定された<当籤金附証票券法>という法律によって発行されているもので、公共事業の財源にあてるために公共団体が運営しているものです。券の購入者から集まったお金のうち、一部を当せん(籤(くじ))金として払い戻し、残りを財源に当てるわけですから、購入者の大半は払いっぱなしで見返りのない買い物をしているわけです。それでも夢を買っ たと思えば得心できるというわけなのでしょう。 
 ところで、この宝くじの古い形式のものに富籤があります。富籤は江戸時代に流行した一種の賭博的興行で、多く寺社がこれを行い、建物の修復財源としておりました。谷中の感応寺?湯島天神?目黒不動が江戸の三富とされたそうです。寄付金を募る代わりに富籤で財源確保なんて、なかなか結構じゃないですか(今は寺社の富籤は出来ません)。
 さて、籤といえば神社で吉凶を占うおみくじ(御神籤・御御籤)がありますね。おみくじは天台宗の高僧、元三大師良源(912~985)がルーツと言われ、それまでの日本の神仏に予言の働きはなかったようです。陰陽道などの影響が習合されて籤を引くようになったのかもしれません。御神籤は抽籤(選)という方法で神仏の予言を戴き、併せて現世のご利益をも戴こうというものだったのですが、この求めに乗じて寺社側でも積極的に御神籤を作るようになり、それがエスカレートして件の富籤へと変化したと思われます。
 今でも初詣などでは御神籤は欠かせませんが、それが富籤から宝くじへと発展し、今ではサッカー籤やロト籤までできる時代となりました。私たち大衆に夢を見させながら、必要な財源も確保する・・・。籤の意味とその歴史を調べてみると面白いですね。」

 

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